シャープ、グリーンフロント 堺で液晶パネルを初出荷

-16日に出荷式。亀山に向けてトラック5台が出発


10月16日出荷式


 シャープは10月16日、大阪府堺市の「シャープグリーンフロント 堺」において、液晶パネルの出荷式を行なった。

 同工場では、10月1日から第10世代の液晶パネル生産を開始しており、それからちょうど半月を経過。シャープからは、シャープディスプレイプロダクトの佐治寛社長、シャープAVC液晶事業本部長の桶谷大亥氏、グリーンフロント堺企画推進本部長の元津行弘氏などが出席したほか、シャープグリーンフロント 堺に進出する企業の関係者など約40人が参加して、出荷式を行なった。

 シャープグリーンフロント 堺は、東京ドーム約28個分にあたる約127万平方メートルの敷地に、10月から稼働した液晶パネル工場と、来年3月までに稼働する予定の薄膜太陽光発電パネル工場を設置。シャープおよびシャープディスプレイプロダクトのほか、ガラス、カラーフィルター、物流、梱包材、電力、ガス、下水再生などの17社の企業が進出し、21世紀型コンビナートを形成しているのが特徴だ。

 液晶パネル工場では、先頃発表した新世代液晶パネル「UV2A」を生産。畳約5畳分に相当する2,880×3,130mmの第10世代のマザーガラスから、40型で18枚、60型で8枚のパネルを切り出すことができる。

 UV2Aパネルは、シャープが11月から出荷するLED AQUOSに採用されるほか、今後、亀山第2工場の液晶パネル生産ラインでも生産されることになる。

 シャープグリーンフロント 堺の液晶パネル工場の生産能力は、当初は月3万6,000枚でスタート。フル稼働時には月7万2,000枚を生産する計画であり、シャープの液晶テレビのほか、ソニーや東芝をはじめとする国内外のテレヒメーカーにも供給。亀山工場を含めて約5割が外部企業向けと見られている。

 シャープディスプレイプロダクトの佐治寛社長は、「生産される液晶パネルは、液晶テレビだけでなく、デジタルサイネージなどの用途にも広げていきたい。液晶テレビは中国での需要が旺盛であり、当初の計画から稼働を半年間早めた、液晶パネルに対する需要は当面旺盛になる」などと語った。

 10月16日午後1時30分から行なわれた出荷式では、除幕式やテープカットが行なわれ、液晶テレビの組立を行なう亀山工場に向けて、トラック5台が出発した。



(2009年 10月 19日)

[Reported by 大河原克行]